転職サービス大幅アップデート

デザイナー1名 / PM 1名 / エンジニア3名

ある転職サイトのサービスを大幅にアップデートしました。サービスが特定されそうな主語、および画像は取り除いて記載しています。

ログイン後はサービス名含めた全ての要素が閲覧できます。

アップデート前:SNS発信型の転職サービス

アップデート後:LINEログインを使った、転職秘書サービス

リニューアルされる前のサービス設計

リニューアルされる前は、APIを使ったSNS発信型の転職サービスでした。

求人票を運営側で作り、FacebookとTwitterのAPIと連携し、募集記事を発信してもらう。

また、求職者にも記事を発信してもらい、相互に発信力が高まれば高まるほど、募集記事が見られやすくなるというサービス設計でした。

しかし、運用後に以下の問題に直面しました。

  • FacebookAPIの仕様変更によって、SNSの一斉発信が出来なくなる
  • 後発という事もあり、ユーザー数も少なく、誰も発信してくれない
  • 発信したとして、応募してくれない

転職サイトなので、最重要CVは「応募(さらにその先の内定)」なので、誰も応募してくれないというのは、大きな問題でした。

サービスの方向性をリニューアルする

SNS発信型のサービス設計が難しいと分かると、サービスの方向性を変える事にしました。

しかし、どのようなサービス設計にすれば良いか、悩んでいました。

そこで、「なぜ応募してくれないのか?」というのを考える事にしました。

その結果の仮説が、

  • 沢山ある求人の中で、どの求人に応募すればいいかわからない

というものでした。

今の時代、求人は沢山溢れているので、自分から能動的に求人を探すのは、求職者にとって負担となります。

そこで、私達が求職者と事業者を結びつける様な転職サービスにしようという結論になりました。

つまり、「秘書」の様な立ち位置になろうとなりました。

実験をする

ただ、この方向性で本当に良いか分からなかった為、まずはSNSで実験をする事にしました。

何で実験するか、まず検証しました。

  • Facebook
    • 主なターゲットの求職者は使っている人は少ない
  • Twitter
    • これも主なターゲットの求職者は使っている人は少ない
  • Instagram
    • 主なターゲットの求職者が使っているケースが多い

という事で、まずInstagramで実験する事にしました。

具体的には、Instagramに投稿して、いいねをしてくれた人に、こちらから求人を紹介するというスタンスでした。

実験の結果、成果が出ることが分かったので、本格的にフルリニューアルする事にしました。

SNSの主なユースケース

サービスに落とし込んでいく

成果が出ることが分かったので、本格的にサービスをプロダクトに落とし込んでいく事にしました。

サービスはSPAで構築されており、SPAはネイティブアプリと遜色ない体験設計、豊富な開発環境、審査なしによる高いスピード性、というメリットがありますが、

  • プッシュ通知が使えない

というデメリットがありました。

このデメリットを克服するには、

  • ネイティブアプリを作る
  • 別の通知手段を考える

という2つの選択肢がありましたが、ネイティブアプリはデメリットが大きすぎるので、別の通知方法を考える必要がありました。

ネイティブアプリのデメリット

  • 運用コストがものすごく掛かる
  • Sys、Des、Biz共に、Web・iOS・Androidと運用が分断されてしまう
  • 審査があるので、スピードが落ちる
  • 仮に出したとして、通知機能が消されるケースが高い
  • アプリ自体が消される
  • SPA前提の場合、ネイティブアプリのメリットはほぼない

スタートアップには、コスト高の開発費と、スピードが落ちるのは致命的でした。

なので、ネイティブアプリの選択肢は消えました。

SPAの弱点を補っていく

SPAの弱点であるプッシュ通知を補うために、通知機能があるSNSでログインを導入する事にしました。しかし、今まで運用してきたInstagramはログイン機能がないので、Instagram以外の手段を考える事にしました。

そして、LINEログインを導入する事にしました。理由としては、

  • 利用しているユーザーが多い
  • 使い慣れたUXでサービス設計ができる
  • 通知設定が消されているケースが限りなく少ない
  • LINEの仕様変更があり、ビジネスで利用しやすくなった
    • MessagingAPIによるFlexメッセージは、プッシュ通知には出来ない、写真・テキストを入れることができる
LINEで出来ること

サービスの導線をリニューアルしていく

当初は一般的な、ただログインをしてもらうだけのサービス設計でしたが、アンケートに回答してもらって、回答後にSNSログインをしてもらう導線設計としました。

それには、以下の理由があります。

  • 定性的な情報を取る
  • 本当に転職したいユーザーだけを間引きする
  • ユーザーに、「楽な」感じを出す

このアンケートの情報を元に、求職者と事業者をマッチングしています。

アンケートに答えなくてもSNSログイン出来る導線は残していますが、メインの導線は、アンケートによる導線が多いです。

アンケートのKPIを上げていく

アンケートが出来たところで、次はKPIを上げていく施策をしていきました。

当初のCVRは、あまり芳しいものではありませんでした。

何故かと思い仮説を考えたところ、

  • スタートからゴールまでの道のりが見えないからでは?

との仮説を立てました。

その為、アンケートの一番上に、Step数を示す数字を配置しました。

結果、CVRが2倍まで上がり、効果が出ることが分かりました。

その為、現在は情報が階層が深そうなシーンには、Step数を示すことにしています。

あえて全自動にせず、人が介在しているサービス設計にしていく

当初はアンケートの内容を元に、自動で求人が送られてくるサービス設計を考えていましたが、

  • 求職者に本当に合った求人を、運営側で吟味する
  • 何かあった際の相談にも応じる

この事が、求人が沢山の溢れる今の時代、競合差別化になると考えて、日程の調整だけ自動化しています。

より「楽な」サービス設計にしていく

ユーザーを逃さない為に、他のサービスより「楽な」サービスにして行こうとしています。

ユーザーにとっては「楽な」なサービスは、作る際は様々なユースケースに対応しなければいけないので、まずどこを簡単にしていくかを洗い出しました。

  • ユーザープロフィールを履歴書とし、アンケートを回答して貰えば履歴書が完成する(プロフィールが埋まる)
  • 面談の際の日程調整だけユーザーにしてもらい、その後の対応は運営側で行う
  • 自分に合った求人が、SNSで送られてくる
  • 悩みを相談できる機能をLINEに設けて、エージェントが対応する

主に上記の体験で、差別化を図ろうとしています。

チャットを削除する

当初はユーザーに求人を送って、チャットでやり取りしてもらうサービス設計を考えていました。多くの転職サイトではその様なサービス設計だと思います。

しかし、

  • より「楽な」体験をさせたい
  • チャットだと文字を入力する手間が発生してしまい、「楽な」体験とならない

と考えました。

「楽な」体験と言えば、「メリカリ」が良い例だと思います。メリカリが良いのは、
  • テンプレートを選んで、写真を選ぶだけで、簡単に出品が出来る
  • 個人情報を相手に伝えなくても、「メリカリゆうゆう便」を使えば、荷物をコンビニに届けるだけで、勝手に落札者の元へ届けてくれる
  • 評価をすれば、出品者の評価と荷物の受け取り、両方を一度に行える

つまり、ユーザーに1文字も文字を入力させずに、取引する事が出来るので、利用者は「楽に」取引をする事ができます。

その様な「楽な」体験を提供したいと思った為、チャットを削除した場合、どこを自動化すれば、「楽な」体験となるか考えました。

その結果、

  • 裏側のサポートは運営側が行い、ユーザーには日程調整だけしてもらう

というサービス設計としました。

こうすれば、ユーザーは応募したら、面談できそうな日程を提案すれば、運営側でサポートして面談してもらうサービス設計が出来上がります。

パターンを整理していく

日程調整だけユーザーにやってもらうサービス設計が出来たら、次はパターンを整理していきました。

パターン・ユースケース・フローチャートを言語化していく

パターンが出来たところで、次はパターン、およびそのパターンのユースケースを言語化しました。

その後、フローチャートを言語化しました。

このパターン・ユースケース・フローチャートを元に、エンジニアが必要な機能を作り、画面を私が作っていくという同時進行で制作を行いました。

その為、お互いの仕事が終わった後には、パターン通りの画面をエンジニアがはめ込み、テストをします。

これにより、新機能でも1ヶ月弱という短いスパンでリリースすることが出来ました(これは誰でもコメントできるFigmaの恩恵もかなり大きいです)

パターンの一部

画面を作り込んでいく

パターン整理・ユースケース・フローチャートが出来たので、パターンに照らし合わせ、画面を作り込んでいきます。

また、SPAのWebサービスかつレスポンシブ対応なので、スマホ以外にもPC版も作っています。

日程調整はどうデザインするか?

KPI的にCVRを上げることが最優先の為、このアップデートの一番のキモは、「日程調整をスムーズに行ってもらう事」でした。

なぜなら、応募して内定してもらわないとCVRにならないので、この日程調整で「使いづらい」と思われてしまったら、二度と応募してもらえないからです。

その為、今流行っているサービスの、日程調整を調べまくりました。そして、主に以下のパターンがあると考えました。

  • カレンダー型
  • チェックボックス型
  • セレクトボックス型

日程調整は「日付選択」「時間選択」の2ステップに分けられます。

その為、日付選択は直感的に分かりやすい「カレンダー型」にして、

日付選択は30分単位で区切り、「セレクトボックス型」にする事としました。

チェックボックス型は直感的にポチポチとアクションを起こせますが、「長すぎる項目を入れるのには向かない」という欠点があったため、セレクトボックス型を採用しました。

メニューを考える

次にメニューの項目を考えていきました。

応募自体はLINEで求人を送ってもらう事による導線が多いので、メニューは「応募後、ユーザーがしたい事」を重点的に練り直しました。その結果、以下の項目をメニューとしました。

  • 応募管理
    • 応募した自分の募集を管理。今のステータスが一目で可視化できる。
  • 閲覧履歴
    • 過去自分が見た事がある応募を見れる。過去に興味があったけど、応募するか迷っていた求人を見せて、応募数を上げる。
  • プロフィール
    • プロフィール画面。ここが自分の履歴書となる。

非同期通信であるSPAのメリットを活かし、下タブでメニューを配置しました。下タブには、主に以下のメリットがあります。

メリット

  • アプリで標準のナビゲーションである為、見慣れたUXを提供できる
  • どこにいても、メニューが可視化できる
  • 親指が届きやすいので、アクセスしやすい
  • いつでも操作が出来るので、滑らかなUXを提供できるSPAと相性がいい

しかし逆に、以下のデメリットもあります。

デメリット

  • 基本的に項目を増やす事が出来ないので、将来項目が増える事になった場合に辛い

これは、基本的に転職サービスはビジネスモデルがほぼ決まっており、また新しいテクノロジーが次々生み出されていくものでもなく、将来的に項目名が増える可能性はあるが、物凄い流動的に増える事はないと思い、下タブにしました。

また、将来的に項目が増えた場合も考え、項目は3つとし少し空きがある状態としました。

それ以外の、「あまり使わなさそうだが、サービスとしてないと困る項目」は、ヘッダーに三点リーダーを配置し、タップしたら開くメニューに配置しました。

三点リーダーにある項目

  • お知らせ
    • LINEがお知らせになるので、将来的には廃止する予定
  • アカウント設定
    • これも現在必要かどうか要検討中
  • ログアウト

またログイン後は、ユーザーに能動的に検索して欲しい為、ヘッダーに「検索」を入れました。ログイン前はLINEログインとアンケートに集中して欲しいので、検索は削除しました。

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アップデート後、ユーザーから以下のお言葉をいただきました。デザイナーとして、この言葉を聞けるのが一番嬉しく思います!

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